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2008年 02月 29日

Package ♯2

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by chilin-h | 2008-02-29 22:42
2008年 02月 28日

Package

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by chilin-h | 2008-02-28 22:44
2008年 02月 25日

「豪傑」

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                                            中野重治



            むかし豪傑というものがいた
            かれは書物をよみ
            うそをつかず
            みなりを気にせず
            わざをみがくために飯を食わなかった
            うしろ指をさされるとはらを切った
            はずかしい心が生じるとはらを切った
            かいしゃくは友だちにたのんだ
            かれは銭をためるかわりにためなかった
            つらいというかわりに敵を殺した
            恩を感じるとむねのなかにたたんでおいて
            あとでその人のために敵を殺した
            いくらでも殺した
            それからおのれも死んだ
            生きのびたものはみなしらがになった
            しらがはまっ白であった
            しわが深くまゆ毛がながく
            そして声がまた遠くまできこえた
            かれは心をきたえるためにじぶんの心臓をふいごにした
            重いひきうすをしずかにまわし
            そしてやがて死んだ
            そして人は 死んだ豪傑を 天の星からみわけることができなかった
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by chilin-h | 2008-02-25 23:22 | 中野重治
2008年 02月 24日

「やもり」

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                                   蔵原伸二郎


          月のかすかなおぼろ夜に
          山の庭でやもりはかえでの木に登って鳴いている
          小さいがをとらえて食おうとして
          だんだんこずえのほうへぼっていく
          がが飛びたつとやもりはがっかりして
          こどもがするように
          小さなえだを前後にゆるがして
          チー チー泣いてしまった
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by chilin-h | 2008-02-24 21:52 | 蔵原伸二郎
2008年 02月 22日

春うらら ♯2

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by chilin-h | 2008-02-22 22:02
2008年 02月 21日

春うらら

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by chilin-h | 2008-02-21 22:32
2008年 02月 19日

「願い」

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                                           佐藤春夫


                  大ざっぱ無意味で
                  その場かぎりで
                  しかしほんとうの
                  とびっきりにほんとうの歌をひとつ
                  いつか書きたい。
                  神さまが雲をおつくりになされた気持ちが
                  いまわかる。


                  おっかさんが
                  あのとき うたってきかせたあの
                  子守り歌を
                  そっくりそのまま思い出したい。
                  その歌は きけば
                  おっかさんももう知らない
                  どうもでたらめにうたったらしい。
                  どうかして生涯にうたいたい。
                  空気のような歌を一つ。 ・・・・
                  自由でめだたずに
                  人のあるかぎりあり
                  いきなり肺腑にながれこんで
                  むだだけはすぐはき出せる
                  そういう歌をどうかして一つ・・・・
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by chilin-h | 2008-02-19 23:41 | 佐藤春夫
2008年 02月 16日

さようなら

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by chilin-h | 2008-02-16 23:14
2008年 02月 15日

「菜畑」

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                                          野長瀬正夫


             少年は
             道でおよめさんの行列にあった
             およめさんは十九だよと人がうわさしている
             少年は
             ふと、姉のことをかんがえた
             姉はことし二十五
             少年は石ころをけりながら家にかえった

             姉はうらの菜畑で
             菜の葉についた虫をとっていた
             ―― ねえさん
             姉はならびのよい歯をのぞかせて
             にこっとわらった
             ―― なあに・・・・どうしたのよ

             少年は
             べつにいうことがなかったので
             ぼくも虫をとってやろうと
             姉とならんで畑にしゃがんだ
             きょうは
             紀州の山がよく見える
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by chilin-h | 2008-02-15 23:24 | 野長瀬正夫
2008年 02月 14日

「病気」

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                                      野長瀬正夫


                  少年は 母にせがんで
                  とこを天まどの下にうつしてもらった

                  ある日、少年は
                  天まどのガラスに
                  白いものがちらちらふってくるのを見た
                  ――― おかあさん、雪ですか。
                  母は さくらの花ですよと答えた

                  ――― なあんだ、さくらの花か。
                  少年は きゅうに
                  りんごをサクサクたべてみたくなった
                  ――― あいよ。りんりんりんごをたべるのかい。
                  母は めずらしくおどけながら
                  赤いりんごを盆にのせてきた
                  すべすべしたりんごの皮が
                  じょうずにつながってむかれていくのをながめながら
                  少年は あまえてこういった
                  ―――おかあさん、ぼく、もうじき起きられるよ
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by chilin-h | 2008-02-14 23:43 | 野長瀬正夫